#5 M&Aのタイミング

  どのタイミングで事業を渡すのがよいのか?という相談をよく受けます。そういった質問をいただいたときにどのように説明をしているのかについて今回はお伝えします。

 

 まずは、以下の表をご参照ください。

  事業への意欲(弱) 事業への意欲(強)
 事業の成長性(高) M&A(譲渡)◎ M&A(譲受)◎
事業の成長性(低) M&A(譲渡)▲ M&A(譲渡/譲受)〇

 それぞれの項目について、詳しく説明していきます。

 

成長性(高)×意欲(弱)

 この組み合わせは、早期にM&Aによる譲渡を検討することを強くお勧めします。理由は以下の2つです。

 

1.投資意欲の減退が先細りを招くため

 

 事業意欲の減退は、企業を成長させるための投資意欲を減退させることにつながるケースを多く見てきました。投資意欲が減退すると事業が先細りしていく可能性が高くなり、そうすることで収益が悪化していく可能性も同様に高くなります。このような状態になる前に、事業を渡せる相手を探すことが肝要です。

 

2.興味を持つ買い手が見つかりやすいため

 

 事業の成長性が高い企業を好む買い手は多くいます。そのため、スムースに短期間でM&Aを実行できる可能性が高くなります。

成長性(高)×意欲(強)

 この組み合わせは、M&Aを活用して事業を成長させて行ける可能性が高いと考えます。案件や事業戦略上の整合性などをよく吟味しながら、M&A(譲受)を活用できます。

成長性(低)×意欲(弱)

 この組み合わせは、M&Aの難易度が上がります。その理由は、興味を持つ可能性がある買い手の数が少なくなるからです。

 

 ですがこの組み合わせでもM&Aを行える可能性があります。たとえば、良い資産(人材、土地建物、安定した取引先がある、ブランドがある)などを持っている場合や、やり方を変えれば収益性が向上する可能性をもっていると買い手が考える場合にはうまく事業を渡したうえで継続を実現できる可能性があります。

 

 こういった組み合わせであると経営者ご自身が思い込み、M&Aは自分とは違う世界のものだと信じているケースが多く見られます。しかしながら、こういった組み合わせでも上手に事業を渡せる可能性が大いにありますので、思い切ってご相談をいただければお力になることができます。

成長性(低)×意欲(強)

 この組み合わせは、以下の2つのケースで考えることができます。

 

1.過去の蓄積で現預金がある

 

 M&A(譲受)を活用することで、事業の多角化を検討しグループとしての成長可能性を高めていくことができます。

 

2.何としてでも現事業を成長させたいという強い思いがある

 

 ある程度の規模をもった同業他社等とのM&A(譲渡)を行うことで強い後ろ盾を得て、厳しい競争環境においても競り勝っていけるだけの力を手に入れられる可能性を高めていくことができます。

 以上、私が質問をされたときに説明している内容です。ぜひご参考にしていただき、しかるべきタイミングでM&Aを活用していただけると幸いです。また当社へのご相談は以下のフォームから受け付けておりますので、ご関心などございましたらまずはお問合わせください。

お問合わせフォーム

メモ: * は入力必須項目です