自販機オペレーターの歴史
清涼飲料水の自動販売機は、全国で210万台(出典:一般社団法人日本自動販売システム機械工業会、2019年12月末時点)あります。これらの自動販売機すべてに対して、定期的に清涼飲料水を補充する自動販売機オペレーター(自販機オペレーター)が全国にあります。
大小様々な企業がありますが、大手ではコカコーラ系、サントリー系、アサヒ系、キリン系、ダイドー系などドリンクメーカーのグループがあり、独立系としては八洋さんが有名です。
日本で本格的な自動販売機の製造と設置が始まったのは、日本コカ・コーラさんのwebページによると1962年であり、缶入りの清涼飲料水自動販売機の導入は1970年、ペットボトル入りの清涼飲料水自動販売機の導入は1997年となっています。
自動販売機の普及台数推移を確認すると、1970年から1984年ころまで急激に増加していることから、この時期に自販機オペレーター事業者も増えていったものと推察できます。
今年は2020年ですから、起業して36〜50年ほどの事業者が創業後1代で経営可能(25歳で起業した場合、創業者は61歳〜75歳)な業界であり、まさに事業承継問題が足もとに迫っている業界であるという認識をしています。
新型コロナの影響
コンビニの店舗数増加等の影響もあり徐々に売上が減少してきている自動販売機の業界に対して、今回の新型コロナウイルスによる環境の変化はどのような影響を与えるでしょうか。
もともと自販機オペレーターの利益率は高いものとはいえず数%(1ケタの前半)といった話を聞いたことがあり、また固定費率が高い(労働集約的であるため、主には人件費)産業でもあります。
つまり、売上の減少によって一気に利益が吹き飛んでしまうということ。また、業界としても右肩下がりであるため銀行融資も難しいと推察されます。
新型コロナの影響による自粛が行われたため、パチンコ等の遊戯施設の売上は大ダメージを受け、在宅が進んだためオフィスでの売上も大ダメージを受けていると考えることができます。反対に、地方の田舎に設置されている自動販売機のほうが上にあげたような場所に設置されている自動販売機よりも相対的にダメージは少なかったかもしれません。
このような状況下、中小規模の自販機オペレーターで業歴が長く純資産があるところは「廃業」を選び、目も当てられないほどの業績になったところは「破産等」を選んでいくものと考えています。
M&A(事業承継)の活用
苦労しながらもなんとか続けてきた事業を辞めてしまうことは苦渋の決断です。
売上、収益状況によらずM&Aはすべての企業で検討することができる経営手段の一つです。自販機オペレーターの業界では、商圏そのものが価値を持ちますのでその部分を評価し、M&Aを進めていける可能性があります。
廃業、あるいは清算を考えている自販機オペレーターさんがいらっしゃいましたら、まずは弊社までご相談ください。事業を継続していく方法を一緒に考えましょう。